てけつつうらい
言葉の停車場。

風景(Photo by (c)Tomo.Yun )(http://www.yunphoto.net )

ユーモアのセンスをもっていると人間の矛盾を楽しむようになる

サマセット・モーム

本意
宿酔の朝に
生きることに
真面目も不真面目もないと
おもった

痛めつけて痛めつけて
快復させようとする
自分を
他人を
そしてありとあるものを


孤独は蟻地獄ではない
真実のことを考えるとき
流れ星を見に深い山へ行った時のことを思い出す
じっと目を瞠っていればいいのだろうが
眠くもなるし酒も飲むし
どれだけ見逃したかわからない

自分のことは一番見えない
そんな言葉を発することで
もっと見えなくなるものもあるけれど
誰も同じところになど
いやしないのだ
地球は回ってる
仮定
まだ発見されていない正多面体の賽子を
力任せに放ることで
君が生まれ
僕が生まれた
オイラーの定理は
たぶん誰のものでもない



分かつ
本当は
分け合えるものなんて
そんなにはないから
分かち合えた今日は
大切に大切にしよう

転げまわって
たたかって
許しあえた日も
いつしか
遠い日になってゆくから
認め合えた誇りは
奥深く刻みつけていよう

永遠に続いてほしいと
希うものほど
儚いから
痛みという言葉を
比喩的に使うのは
もうやめようとおもう








愛をください
やさしい気持ちになれる
シャツをください

明日へと踏み出す
靴をください

淋しさを忘れる
傘をください

私を惑わす欲は
まだ
そのままにしてください


疼き
いつも一緒にいることいつも一緒にいたこと
たまに一緒にいることたまに一緒にいたこと
いつも一緒にいなかったこといまも一緒にいないこと

今も思い出す微かなる疼きとともに
夜明け
朝はくる
落ち込んでいても
二日酔いでも
朝はくる

そうして移ろいゆくのは
あなただけいない季節

今日がいつしか遠い日になるように
あなたは遠い人になってゆく

それでも朝はくる
いつか希望に満ちあふれた朝もくるだろう
ゆっくりと待てばいい焦らずに待てばいい
一事が万事なら
思い切って踏み出せばいい
私の一歩は誰の一歩とも違うから
万事休すなら
朝まで眠るがいい
そして渋茶でも飲んで目を覚まそう
朝焼けにあるいは朝靄に
きっと塞翁に会えるから


打たれづよさなんてほしくはなかった

本当はすべて投げ出したかった

前向きに生きるなんて言葉

消えてしまえと思った

「打たれる」も「すべて」も「前」も

わからないまま



知っている言葉なんて

途端に見失ってしまう

生きるという座標上においては



「生きる」も「座標」も

すぐに見えなくなってくる

今はただ

照らすものがほしいだけだ


恐れ
何を恐れて立ち止まる

折に触れ聞こえてくる声がある

間違うことを恐れるな

恐れたからといって

遠ざかるわけではないのだと


何かを破壊することは

いずれにせよ

必要なこと

何のため?

何のためかわからないうちは

破壊しないのがいい
時の力は

信じなくたっていい

勝手に向こうからやってくる


言葉の力は

信じたほうがいい

目を瞑っている間に

どこかへ行ってしまう

たしかに目は心の窓であった

すきま風がしみてくる

紅葉
いままさに紅葉しかけている葉を

間近で見てみると

斑点が透けて見えるようで

これから美しく色づく

とはとても思えない色をしていた



悲喜こもごも
悲の顔
喜の顔
悲の顔のあとは
喜の顔に近づけるよきっと




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