てけつつうらい
言葉の停車場。

風景(Photo by (c)Tomo.Yun )(http://www.yunphoto.net )

ユーモアのセンスをもっていると人間の矛盾を楽しむようになる

サマセット・モーム

引力
静かに
波は囁く
過ぎ去った時間は
失われたのではなく
記憶に変容していったのだと

花の記憶
鳥の記憶
風の記憶

染み込んで
羽ばたいて
どこかへと
連なっていった

そして波は囁く
かつて私も恋をした
その恋も失われたのではなく
記憶に変容した
ただそれだけなのだろうか

誰もいない
答えるものはない
海鳥さえいない
寒空に
月だけが見つめている







十全の歌
書かなくてはならない
生きるために

生きなくてはならない
書くために

生きなくてはならない
あの人のために

書かなくてはならない
まだ見ぬあの人のために

時には勇気の賛歌を
時には絶望の悲嘆を

歌わなくてはならない
いつの日か
真実の歌を

気負わなくていい
宿命も運命も
言葉の遊び

十全に
自分らしく
十全に
清清しく
歌おう今日を











旭山
遠ざかるのは

記憶ではない

いつもの道に
思いがけず
馨しい日々が浮ぶ

あの日

街を見下ろす公園で
明滅する
同じ光を見ていた

あなたがいるだけで
世界が
真実だった
微笑みと耀きに
満ちていた

遠ざかるのは私
何もかも
閉じ込めようとする

失った痛みは
確かにそこにあったのだという証

時は全てを癒してくれる
そんなことばさえ
遠くなってゆく

観覧車
優しい町に
観覧車回る

時折薄ら寒い風が
鉄柱を揺らす

そうだ
めぐる運命を恨むほど
楽観的ではいられない

直線が存在しないのは
アインシュタインが存在しないから

観覧車加速する
光さえ置き去りに




穏やかな町に
観覧車回る

それぞれの目に
それぞれの世界
そして世界観

そうさ
生まれ変わりを信じるほど
悲観的ではいられない

しみったれた幸福感など
どこかへ行ってしまえばいい

観覧車回る
心だけは
乗せてゆけ







イデア
夢のために
生きるのではなく
生そのものが夢であれ

愛のために
生きるのではなく
生そのものが
愛であれ

明日のために
生きるのではなく
今日そのものが
明日であれ

刹那の連続が
永遠を希求する

めくるめく移ろいよ
新しい命よ
君の声に
繋がってゆけ



夏の記憶
波音に
アダージョ
アレグロ
ピッチカート

きらめきの中に
きらめきを感ずる
視神経がさんざめく

おだやかに耳をかすめる風
大いなる海の入り口
波打ち際に佇む

ここでは
過去も未来も
痛みさえも
対象になる

そして
ただ波がある
ただ風が吹く
そして
ただ私がある


SMILE
 Smile though your heart is aching
 Smile even though it's breaking
 When there are clouds in the sky,
  you'll get by
 If you smile through your
  fear and sorrow,
 Smile and maybe tomorrow
 You'll see the sun come shining
  through for you

 Light up your face with gladness
 Hide every trace of sadness
 Although a tear may be ever so near
 That's the time you must keep on trying
 Smile, what's the use of crying?
 You'll find that life is still worthwhile
 If you just smile.
               

         Geoffrey Parsons /John Turner
                  
夏は憂いに
秋は愁いに
いつのまにか包まれる
いっそ心などなければ悲しみなどないだろうそして心がなければ
悦びもないだろう

スマイル
笑おう昨日を
引き連れた不安を
笑い流そう


笑おう今日を
時間を1オクターブ
駆け上がろう


笑おう明日を
輝かしい未来なんて
望まない
明日にむかって微笑めば
必ずいい日がやってくる


笑おういい笑いを
人をしあわせにする笑いを
明日を豊かにする笑いを
笑おう
大きな心で
笑おう
昨日と今日
今日と昨日には境目などなくて
酒でムリヤリつくっても空しくて
朝日を見ようと飛び出した
そうだ
朝焼けの空を
ずっと追いかけて
行こう
果てしない空を
昨日と今日の境目はきっと見つからないだろう
それでも違う何かが見つかりそうなんだ
驚きをもって
今日世界が始まったかのように
あらゆるものごとに驚きをもって生きよう

限りない情熱を燃やし
明日世界が終わってもいいように自分らしく生きよう

忘れもの
あの日当たり前の景色
一枚だけ見つけた写真
なんだか忘れものをした気分
もう一度その場所に
行くことはできるけれど
忘れものは見つからないだろう


目に映る景色は
あまり変わらないけれど
何かが足りなくて
何かが多すぎる

何を忘れてきたのか
どこへ行けば
みつかるのか
いつかわかるだろうか