てけつつうらい
言葉の停車場。

風景(Photo by (c)Tomo.Yun )(http://www.yunphoto.net )

ユーモアのセンスをもっていると人間の矛盾を楽しむようになる

サマセット・モーム

流れゆくもの
陽光のまぶしさにまぶたを閉じるとき
突然底知れぬ寂寥感におそわれる

地球は球体ではなく
天動説の時代の半球体になる
世界の果ては巨大な滝
音も立てずに全てが呑みこまれていく

子供の頃の寂しさ
何のために生きるの
死んだら終わりなの
宇宙にも始まりと終わりがあるの

そんな疑問をどこに閉じ込めて
ここまできたのか

めまいのごとき虚無感は
臆病な鼠のようにまたどこかへ隠れてしまった




二つの世界
あなたのいた世界と
あなたのいない世界

世界には二つある

こっちの世界では
パンも目玉焼きもまったくよく焦げる



新しい長靴
最近車の中で、『雨に唄えば』のサントラを聴いている。
晴れの日も雨の日も、晴れ晴れとした気持ちになる。

よくハリウッド映画はジェットコースターにたとえられるが、この時代のミュージカルはメリーゴーランドといったところか。
音楽を聴いているだけで、ジーン・ケリーの豊かな表情が浮かんでくる。
デビー・レイノルズの温かみのある声も素晴らしい。

長靴を買ってもらって、雨が待ち遠しかった少年時代に戻れる気がする。


忘れてはいけないもの
忘れてはいけないものはなんだろうと考える。

最近に限ったことではないが、どんなに酷い事件や痛ましい事故があっても、一週間もすると忘却曲線の急カーブに飲みこまれてしまうのはなぜだろう。時代の流れがそうなっているのか。記憶さえも消費される対象なのか。

柴理恵さんという歌手があの大事故の頃に亡くなっていたことを、最近知ったが、JR福知山線の事故の衝撃も日に日にかすれてきてしまった。彼女の早すぎる死を忘れてはいけない。

多くの忘れていったことのなかで、忘れられない言葉がある。

「世の中に悪い人はいない悲しい人がいるだけ」

今年の1月28日亡くなった渡辺克巳さんというカメラマンの言葉。
大好きな言葉である。けして忘れない。彼のような、人間への深い愛を忘れてはいけない。


ニュースを見ると、国民新党にも忘れられないことがあるようだ。



男はつらいよ
忘れな草が好きだ。
といってもガーデニングのことは全くわからない。
そのロマンチックな名前がいい。

ドイツ語  Vergissmeinnicht 
英語    Forget-me-not 
中国語   勿忘草
イタリア語 Nontiscordardime

それぞれに味わいがある。
私がいちばん好きなのは、
Non ti scordar di me というナポリ民謡。

Non ti scordar di me la vita mia legata è a te.
Io t'amo sempre più nel sogno mio rimani tu.

私のことを忘れないでおくれ
私の命はあなたあってのもの
今も変わることなくあなたを思っている
あなたの姿は私の夢の中に

イタリアのテノール歌手タリアヴァーニの『忘れな草』(ドイツ映画)の主題歌。
甘美なしかしもの哀しい歌である。
けして帰ってはこない恋人への純粋な思いが美しくせまってくる。

私はプラシド・ドミンゴの歌っているのが一番切なさを感じて好きだ。


『男はつらいよ 寅次郎忘れな草』 なんていう映画があった。
今日は「男はつらいよ」の日だそう。

忘れな草の歌のイメージとは全く異なる寅さん。
デザートワインと日本酒のもっきりぐらい違う。

どちらも恋がテーマなのだろうが。
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